共有持分の放棄とは?その利点と注意点、手続きについてご紹介!

2023.09.27

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「親族等と共有名義の不動産に関する権利関係の話し合いに関わるのが面倒」
「毎年の固定資産税等や将来の相続が心配」
このように考え、共有持分の放棄を考える方は意外と多いです。
しかし共有持分の放棄には、デメリットや手続き上の注意点もあるため、それらをよく考えた上で実行する必要があります。
そこで当記事では、共有持分の放棄について、その利点と注意点、手続きのポイントを解説します。

共有持分の放棄とは?

共有持分の放棄について考えるためには、その意味について十分理解している必要があります。
そこでここでは、共有持分とその放棄の意味、相続放棄との違いをご紹介します。
はじめにそれぞれの言葉の意味について、理解を深めましょう。

*そもそも共有持分とは

共有持分とは、1つの不動産(土地や建物)や動産(車や時計)を複数人で共有する場合の各々の所有権のことです。

このように、不動産を共有名義にして各々持分割合で1つの不動産を所有する場合には以下のようなケースが考えられます。
・何人かで資金を出し合って購入した
・相続などで兄弟姉妹複数名が相続した
・夫婦、兄弟姉妹などで資金を出し合って購入した

*共有持分の放棄

持分放棄とは、共有者1人が自身の持分を放棄することです。
この事象について、民法では下記のように規定されています。

・民法第255条
共有者の1人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

この通り、不動産の共有持分を放棄すると、その所有権は他共有者へ帰属します。
これは単独行為とされており、その意思を他の共有者に伝えずとも可能となります。
ただし、公的に所有権を放棄し、納税義務を無くすためには登記の必要があり、その際は他の共有者より同意や協力が必要となります。
こちらについては後ほど説明します。

*共有持分放棄と相続放棄との違い

共有持分の放棄には二つの方法があります。
それは「相続放棄」と「共有持分放棄」です。
相続が発生した際、故人が所有していた土地や建物の名義を相続人へ変更する相続登記手続きを行います。
この相続登記の前に行うのが相続放棄、後なら共有持分の放棄となります。
この2つには、遺産全てを放棄するか、自分が相続した遺産の共有持分のみを放棄するのかといった違いがあります。

共有持分放棄の利点と注意点

先程お伝えした通り、共有持分の放棄には利点と注意点の両方があります。
ここではそんな利点と注意点についてご説明します。
それぞれについて理解を深め、後悔のない選択をしましょう。

*共有持分放棄の利点

1.他の共有者とのトラブル解消
不動産を共有していると、共有者間で問題や対立が起こることも多いです。
なぜなら、共有不動産の売却や贈与には、共有者全員の同意が必要になるからです。
各共有者の利害関係を一致させることは難しく、トラブルへと発展しやすいのです。
そこで、共有持分放棄により共有関係を解消すれば、その不動産への責任を全て放棄できるので、トラブルに巻き込まれることはなくなります。

2.他共有者の同意不要
通常、不動産を誰かに譲り渡すときには、売買や贈与といった方法を用います。
しかし、これらの方法で他社に譲渡する際には、他共有者の同意が必要となります。
一方共有持分の放棄の際には、他共有者の同意を得ることなく、自分の不動産持分を手放せるのです。
ただし下記注意点があるので不動産の場合に限っては単独行為によって共有持分の放棄を行うのは現実的ではありません。

*共有持分放棄の注意点

1.固定資産税の納税義務を解消するためには登記が必要
これまで説明した通り、共有持分を放棄するためには、原則他共有者の同意はいりません。
ただし不動産を所有している場合に支払う必要のある固定資産税は、共有持分放棄の意を他共有者に伝えるだけでその支払い義務がなくなることはありません。
この納税義務から解放されるためには、登記申請を行い、公的に共有持分を移転させることが必要です。

登記とは、不動産の情報(住所や面積、所有権者など)を記載して、公的に証明するための手続きのことをいいます。
つまり、共有持分による納税義務から解放されるためには、登記をして所有者の変更を公的に証明する必要があるのです。

2.登記申請を行うためには原則他共有者の同意と協力がいる
1で説明した持分放棄を公的に証明するための登記は、持分放棄をする人と他共有者が協力して行う必要があります。
「それなら結局自分の意思だけでは持分放棄できないじゃないか」と思われる方もいるかもしれませんが、たとえ他共有者から登記を嫌がられても、解決する方法があります。
なぜなら、他の共有者から同意や協力を得られないときには、登記引取請求訴訟で裁判所に認められれば強制的に登記できるからです。
登記引取請求訴訟とは、放棄によって持分が帰属した共有者が登記申請に協力してくれない場合に、持分放棄した人が「登記申請を実行する権利がある」と裁判所に主張する訴訟です。
この訴訟が認められた場合、他共有者の協力が無くても単独での持分移転登記が可能となります。
ただし、放棄したい共有持分が山林や田畑で未使用など、負担のみが掛かるような不動産の場合には他共有者へ負担が掛かるだけなので認められない可能性の方が高いです。

具体的な例としては、相続した家に長男だけが住んでいる、次男や三女は住んでいないが長男からは、実家なのだから持分に応じて固定資産税等を負担するのは当たり前だと家賃も貰っていないのに請求だけされているといった場合です。この場合、次男と三女は持分を放棄してしまうのが良いでしょう。長男が認めない場合でも登記引取請求訴訟を行えば認められる可能性は高いと思われます。

共有持分放棄の手続きと必要書類をご紹介!

ここまで共有持分の放棄について、利点と注意点を解説しました。
これらを踏まえて、やっぱり放棄したいと考える方は、実際に共有持分放棄の手続きを進めるために準備を行いましょう。
ここでは、共有持分放棄の手続きと必要書類をご紹介します。
共有持分を放棄することを決めたら、まずはその内容を内容証明郵便で他共有者に通知しましょう。持分放棄の通知を法的に残すためにも、内容証明郵便で送付するのがおすすめです。

他共有者に通知したら、他共有者の協力を得た上で法務局にて登記手続きを行い、法的にも共有持分の権利を手放します。
所有権移転登記の流れは以下の通りです。

1.登記申請書を作成:法務局のホームページから登記申請書を入手、必要事項を記入
2.必要書類を法務局へ提出:共有不動産を管轄する法務局に必要書類と登記申請書を提出
3.登記完了証・登記識別情報の交付:審査に通れば、2週間ほどで登記完了証と登記識別情報が交付されます。

持分の帰属は、他の共有者の持分割合に応じて決まります。
例えば、ABCが各3分の1の割合で不動産を共有している場合、Aがその持分を放棄すると、Aの持分はBが6分の1、Cが6分の1の割合で帰属します。

*必要書類

必要な書類は以下の通りです。
役所などで発行される書類もあるため、集めるのに時間や手間が掛かることが多くなります。
手続きは早めに進めましょう。

・持分放棄した者が、以前権利を取得した際に通知された登記識別情報(権利証)
・持分放棄した者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
・持分を取得する他共有者の住民票
・固定資産税評価証明書(当該年度発行のもの)
・登記原因証明情報

共有持分の放棄にかかる税金とは?

共有持分の放棄で課税される税金には、登録免許税と贈与税があります。
ここでは、それぞれの税金がどの場面で、誰にどのくらい課税されるのか説明します。

1.登録免許税
登録免許税が課税されるのは、共有持分放棄を登記するときです。
登録免許税の納税者は、共有持分放棄の登記申請者つまり共有持分の放棄者です。
ただし、権利を得る事になる他共有者に話し合いにより負担いただいても構いません。

登録免許税の計算方法は以下の通りです。

固定資産税評価額 × 1,000分の20 × 放棄する持分 = 登録免許税額

2.贈与税
贈与税が申告・課税されるのは、放棄された共有持分を取得した年の翌年の2月1日から3月15日までです。
贈与税の納税者は放棄された共有持分を取得した共有者です。放棄されたものを取得したのは贈与を受けた事となる為です。

贈与税の計算方法は、以下の通りです。

不動産の価額 × 受け取る共有持分 – 基礎控除110万円
= 基礎控除後の課税価格×税率(贈与を受けた金額により変動します)

まとめ

今回は、共有持分の放棄について解説しました。
共有持分の放棄は確かに利点がありますが、その分注意点もあるため、安直に放棄を決めても放棄をする事が出来ないという場合もあります。
そんな場合には今回ご紹介した利点と注意点を踏まえて共有持分のみの売却等、多角的に検討しましょう。
その上で放棄することに決めたら、他共有者への通知、登記手続きという2つのステップで手続きを進めてください。

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